ドゥカティ モンスター タイミングベルト交換

モンスター1000S

私のモンスターも中古で購入してから4年以上経過しました。

現在の走行距離は約43,000です。
購入時の走行距離は約30,000kmでした。

初度登録からだと、18年程経過しています。

前オーナーが走行距離約30,000kmの時にドゥカティ ディーラーでタイミングベルトを交換しています。

ドゥカティのタイミングベルトは2年もしくは20,000km交換が推奨されています。

流石にメーカーが推奨している交換時期は早すぎるとは思いますが、ドゥカティオーナーなら誰もが通る整備の1つなので、これを機会に交換します。

タイミングベルト交換費用及び必要部品

タイミングベルト交換の必要部品、工具を確認します。

  • タイミングベルトベルト
  • テンショナーベアリング
  • ガイドローラーベアリング
  • 周波数測定器(ベルト調整) : スマートフォンを使用します。

今回、交換作業は自分でするため工賃はかかりませんが、どうにか、部品単価を下げられないかといつものように調べました。

やはり、手はありました。(2021年11月時点価格)

ドゥカティ OEMタイミングベルト

タイミングベルト ドゥカティ純正品番 73740211a 必要数 2本 純正価格1本 ¥10,640
OEM品でDayco製とFlunnor製があることが判明。

  • Dayco品番941073:イタリア製 1本¥3,755.- webikeで購入可能です。
  • Flunnor品番41006D:ドイツ製 1本約¥3,394.- eBayで購入可能です。

ベルトテンショナーベアリング

ベルトテンショナーベアリング 必要数4個ドゥカティ純正品番 751661238 →70240691a  1個 ¥2,113.- (純正部品はSKF製品です。) ※2022年5月20日更新

  • SKF品番 6201 2RS2/LHT23 日本では購入方法入手出来ず。
  • NTN品番 6201LLUC3/5K ¥239.- モモタロウで購入可能。(互換品)
  • NSK品番 6201DDUC3/NS7 \249.- モモタロウで購入可能。(互換品)

ベアリングすき間について改めて調べてみるとドゥカティ純正部品である70240691aのベアリング隙間が通常のCNなのか通常すき間より大きなC3以上なのかはっきりしないことが分かりました。

使用グリースに関しては広温度範囲で使用可能なグリース(LHT23)が使用されており、-50度〜+140度まで対応となっています。

また、SKFの2RS2はシール部が高熱用のFKM(フッ素ゴム)が使用されていることも分かり、このベアリングが高熱に対しての特殊仕様だと言うことも判明しております。

互換品を選定するにあたり上記の点に注意して調べました。

私が調べましたNTNのベアリングはマルテンプSRLグリースが使用されており、対応温度は-50度〜+150度でグリースについては問題なさそうです。

シール部についてはNTNでは高熱向けの特殊仕様は確認できなかったため、防塵、防水に優れるLLUを選定しております。

※当初、NTNベアリングの通常すき間であるCN(6201LLUCN/5K)が入手できなかったためCMすき間(CNよりすき間小)で購入し取り付けしております。

取り付け後、下記の条件の中、400km程走行しました。
-最高気温21℃ : ワインディング走行60%、高速道路走行30%、一般道走行10%。
-ほぼ渋滞走行無し。
-走行時の最高油温100℃
走行後のベアリング点検では固着や異常はありませんでした。
しかし、素手で触れないほど高温になっていたため、近日中に通常すき間より大きな6201LLUC3/5K(高熱向け)に交換予定です。

交換後の使用状況につきましては、また、追加記載させて頂きます。

更に追記となりますが、定期点検及び早いサイクルでの交換を考えた場合、防塵、防水性はLLUに劣りますが、摩擦抵抗が小さい6201LLBC3/5Kでも良いかもしれません。

※互換品使用がご心配な方は純正ベアリングを使用ください。
※NSK互換品もNTNと同等の仕様となっております。

6201LLUC3/5Kに交換後、下記の条件の中、200km程走行しました。( 6201LLUCM/5K → 6201LLUC3/5K)
-最高気温36℃ : ワインディング走行80%、高速道路走行10%、一般道走行10%。
-ほぼ渋滞走行無し。
-走行時の最高油温110℃
当日、ワィンディングでエンジン負荷をかけております。
現時点では問題は発生しておりません。
何か問題が生じましたら追記致します。

ガイドローラーベアリング

ガイドローラーベアリング ドゥカティ純正品番 45110251a→45120211a 必要数2個 純正価格1個 ¥7,227.-

これがなかなか曲者で互換品はドイツ製のFlunnorのベアリングしか見つけられませんでした。
国内での販売はなく、個人で輸入し送料等を入れると純正品と価格が変わりません。

Flunnor品番FU99811:ドイツ製

そのため、交換はドゥカティ純正品を使用します。

今回の作業内容及び交換部品一覧

  • タイミングベルト交換 : Dayco 941073 x2
  • ベルトテンショナーベアリング交換 : NTN 6201LLUC3/5K x4個
  • ガイドローラーベアリング交換 : ドゥカティ純正 45120211a x2個
  • カムシャフトオイルシール交換 : ドゥカティ純正 020470105 x2個
  • タイミングベルトシャフトシール交換 : ドゥカティ純正 93041233a x1個

それでは早速作業に取り掛かります。

タイミングベルトカバー取り外し及びピストン位置(圧縮上死点)合わせ

まずは、タイミングベルトカバーを取り外します。

作業方法は以前のタイミングベルト調整の記事をご確認下さい。

カムシャフトの固定

サイドカバーにあるボルトを取り外し、スペシャルボルトを取り付け、カムシャフトを固定します。

ボルトは他の方が品番を記載頂いていたので、そのボルトを購入しました。

ちなみに品番は77910971bです。
少し先端が長いため削らないとねじ込むことは出来ません。
後日加工予定。

ベルト交換のみの場合、この作業を省いてもタイミングベルト交換は可能です。

今回、カムシャフトシールも交換したいためカムシャフトを固定しています。

ベルトテンショナー、タイミングベルトの取り外し

カムシャフトを固定している関係か、合わせマークが少しずれています。

そのため、カムプーリーの合わせ位置に合わせてマーキングしておきます。
※右のマーキングが本来の合わせ位置です。

ボルト2本を緩めてベルトテンショナーを緩めます。

そしてタイミングベルトを取り外します。
垂直側のベルトテンショナーも緩め、タイミングベルトを同じ要領で取り外します。

タイミングベルトが外れた状態です。

最後にベルトテンショナーのボルトを完全に緩めて取り外します。

ベルトテンショナーベアリングの交換

おそらく一度もベアリングは交換されていないと思われますので、今回交換します。

交換するベアリングはNTN品番 6201LLUC3/5K x 4個です。

使用する工具は下記となります。
ストレートのギヤプーラー 2本爪 100mmです。

初めにベアリングを止めているCクリップを外します。

そしてギヤプーラーで圧入されているベアリングを外していきます。
結構、硬めですが問題なく取り外し出来ます。

外れました。

新品のベアリングをプーラーで挿入していきます。
1個目。

2個目。

最後にCクリップを取り付けて交換終了です。

交換後、ベルトテンショナーを車両へ仮止めしておきます。

ちなみに下記を治具として使用しました。
購入はホームセンターです。

ガイドローラーベアリングの交換

古いガイドローラーベアリングを取り外します。

これが曲者で取り付けが特殊な形状のボルトとなっておりソケット等の工具が使用出来ません。

10mmのスパナが掛かるサイズだったのでスパナを使用し緩めました。
ボルトがなめないか心配しながらの作業でした。

締め付けトルクはそれほどではなかったのですがロック材が塗布されているので硬めです。


垂直側を外すのは特に苦労しました。
写真で分かるようにほとんど工具が入りません。

この短いスパナ以外はスペース的に使用出来なかったためこのスパナで緩めました。

外したガイドローラーベアリングを見てみるとかなりやれていました。

ロック材を塗布し、新品のガイドローラーベアリングを取り付けます。

このガイドローラーベアリングですが新品にも関わらずボルトが錆びています。
長期保管品と言うわけではなく少しの期間保管しただけで錆びてきました。

おそらく表面処理があまり良くないのでしょうね。
されていないのかもしれません。

安くない部品なのでしっかり作ってほしいものです。
※ちなみにこのボルトは圧入されています

タイミングベルトシャフトシールの交換


走行距離が40,000kmを超えていることもありまだオイル漏れはありませんがオイルシールを交換します。
始めにタイミングベルトプーリーを取り外します。

取り外しは特殊工具を使用します。

ここでトラブルが発生しました!

緩んだと思ったら特殊工具が壊れました。

使用前からピンの強度に不安を感じておりましたが、案の定壊れましたね。

締め付けトルクが高過ぎるのか、工具が脆過ぎるのかこれではプーリーを外すことが出来なくなったため、今回、タイミングシャフトシール、カムシャフトシールの交換を見送ります。

上記オイルシール交換については改めて工具を調達するか、それ以外の方法を模索してから再挑戦したいと思います。

※同じメーカーの工具は2度と購入しませんが(笑)

タイミングベルトの取り付け

オイルシール交換が見送りとなったため、ここで折り返し作業です。

新品のタイミングベルトを組み付けていきます。
先ずは垂直側から取り付けていきます。


次に水平側のタイミングベルトを取り付けます。


組み付け出来ました。


マーキング位置にずれがないことを確認し、ベルトテンショナーで仮止めします。

ずれてないですね。

サイドカバーのスペシャルボルトを取り外し、めくらボルトを10Nmで締め付けます。

タイミングベルト調整

作業方法は以前のタイミングベルト調整でご確認下さい。

新品装着のため135Hz付近で調整しました。

調整後、タイヤを回してでタイミングシャフトプーリーを一周回します。

再度、張力確認。

私は念のため、この時点でエンジンを始動し、2-3分エンジン回しました。

そして再度、ベルト張力を測定しました。

測定値は約130Hzでした。
測定誤差なのか、初期伸びかは不明です。

次回、試運転後に再度確認してみる方が良いですね。

最後にタイミングベルトカバー、オイルクーラーを取り付ければ完成です。

作業自体はある程度整備経験がある方なら難しい作業ではないと思います。
しかし、ミスがありますとエンジンを壊してしまいますので、自信がなければディーラー等で整備を依頼するのがおすすめです。

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