今回は自分でできるバイクメンテナンスの初歩でありますブレーキフルードの交換方法を書きたいと思います。
ブレーキメンテナンスのため少し敬遠しがちですが定期メンテナンスの1つのため自分でチャレンジしてみましょう。
比較的簡単な作業ではありますが、ポイントを押さえて確実な作業を行いましょう。
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ブレーキフルード交換の必要性
ブレーキフルードは2年に1度は交換する必要があります。
私は1年に1〜2回交換しています。
なぜ、交換の必要性があるのでしょう。
下記にブレーキフルードの特性を記載しました。
- 沸点が高い (140℃以上)
- ゴムを侵さない
- 吸湿性がある
- 塗装面を浸食する
この吸湿性があると言うのが問題となってきます。
空気中の水分を吸うと沸点が下がりブレーキ性能が下がります。
そうなることでベーパーロックが起こりやすくなります。
ブレーキ装置内部の錆つきなどの原因にもなるため定期的な交換が必要になります。
また、塗装面を侵食する(痛める)ため、こぼして塗装面についた場合などはすぐに大量の水で洗い流してください。
それでは作業をやってみましょう。
リザーブタンクのフルードの抜き取り
リザーブタンクの周りにウエスなどを取り付け、他に飛散しないように養生します。
リザーブタンクのキャップを取り外します。
プラスネジで固定されているキャップの場合、固くてなめやすいのでドライバーを押し付けて確実に緩めて下さい。
次にリザーブタンクのブレーキフルードを抜き取ります。
私は100均のオイル注しを使用しています。
そういったものがない場合の裏技としてはキャリパーのブリーダーを緩め、エア抜きの要領でブレーキレバーをにぎにぎしても抜けます。
この場合は必ずフルード受けを始めに取り付けて下さい。
リザーブタンクにゴミなどの混入があった場合はこの時点で綺麗にしておきます。
ブレーキフルード受けの取り付け
ブレーキキャリパーにブレーキフルード受けを取り付けます。
ブリーダーキャップを外し、先に工具を取り付けてからホースを取り付けます。
ドゥカティのブレンボキャリパーのブリーダーボルトは8mmです。
私は空になったペットボトルに透明なゴムホースを取り付けてフルード受けにしています。
透明なゴムホースはホームセンターで購入できます。
私が使用しているホースは外径7.0mm、内径6.0mmのホースです。
ブレーキフルード交換(マスターシリンダー)
リザーブタンクに新しいブレーキフルードを入れます。
入れる時にフルードをこぼしやすいのですが、人差し指で入口を塞ぎ油路を調整しながら入れるとこぼしません。
人差し指はブレーキフルードがつきますが(笑)
まずは、この時点でブレーキレバーを何回かにぎにぎします。
にぎにぎの方法ですがブレーキレバーをフルストロークの位置まで一定のテンポで確実に握りこみ、開放を繰り返すことです。3~4回くらい握りこむくらいでしょうか。
※リザーバータンクの底面に吸い込み穴があると思いますがこの穴よりも常に上面にブレーキフルードがあるように補充していきます。
ブレーキフルードがない状態でにぎにぎするとエアが入ってしまい、何をしているのか分からないことになります。
これで、マスター側のエア抜きは終わりです。
補足ですがラジアルマスター等に交換された時はマスターシリンダーにあるブリーダーから始めにエア抜きを行います。
※写真のマスターにあるブリーダーボルトです。
キャリパー側からだけではエアがなかなか抜けないとのこと。
ブレーキフルード交換(ブレーキキャリパー)
リザーバータンクのブレーキフルード量は常に補充しながら行って下さい。
また、ブレーキフルードをこぼした場合はすぐに大量の水で流しましょう。
では、行きます。
①ブレーキレバーは軽く握った状態で準備しておきます。
フルード受けのホースがしっかりブリーダーについていることを確認した後、ブリーダーボルトを緩めます。
②緩めると同時にブレーキレバーをにぎにぎします。
何回かにぎにぎを行い、リザーバータンクのフルードが少なくなってきた時に、握り込みのタイミングを狙いブリーダーボルトを締めます。
そのままにぎにぎを2〜3回行いブレーキレバーに手答えが出ればオッケーです。
③上記①②を1セットとしてリザーバータンクにブレーキフルードを足して繰り返します。
基本はブリーダーに取り付けた透明なホースを通るブレーキフルードの色がきれいな透明になれば交換完了です。
目安としてはリザーバータンクのフルード量3〜4回分くらいです。
※リザーバータンクが小さいタイプは回数を増やして下さい。
左右キャリパーがある車種は片側づつ作業を行なって下さい。
ブレーキフルードの交換が終わった後はブレーキレバーを握り、配管内に圧力をかけてブリーダーからフルード漏れがないか確認します。
問題なければブリーダーについたブレーキフルードをブレーキクリーナーか水でしっかり清掃しブリーダーキャップを取り付けます。
そしてリザーバータンクのオイル量をアッパーレベルに合わし、蓋を閉めます。
※リザーバータンクの取り付け角度によってはアッパーレベルで調整するとフルードが漏れる場合があります。
その場合はアッパーレベルとロアーレベルの間でフルード量を調整して下さい。
最後に車両を押してブレーキを掛け、確実にブレーキが効いているか確認します。
交換したブレーキフルードは廃油パックに入れて処分しましょう。
私はブレーキフルード用に1つ購入しておき、何回かの交換後に廃棄致します。
今回、フロントブレーキの交換方法でしたが、リアブレーキ、クラッチフルード交換も同じ交換方法になります。
冒頭でも記載しましたが、難しい作業ではありません。
しかしながら、ブレーキメンテナンスのため確実な整備を行いましょう。
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