ドゥカティは曲がらない!?

モンスター1000S

ドカティは曲がらない!?


これが私がモンスターに初めて乗った時の印象でした。

ちなみに私は自分のモンスター1000s以外のドカティに乗ったことはありません。

国産SSを2台乗り継いだ後、3年程バイクに乗らない時期を経て念願のモンスターを中古で購入しましたが、こんなに曲がらない(寝ない)と思ったバイクは私のバイク歴で初めてでした。

今でも格段曲がるバイクとは思いませんが曲がらないとは思わなくなりました。

今ではワィンディング行くのが楽しみになっております。

ドゥカティのハンドリングはスパルタンとよく言われます。

曲がるための準備やコーナー中に積極的に操る必要があるのは否定しません。
しかしながら、あまりにも‥‥。これが、ドゥカティ?と思いました。

今回はそういった状況から現状のワィンディングが楽しめるまでに至った経緯をご紹介致します。

正解なのかは分かりませんが同じように苦労されている方の参考になればと思います。

タイヤ交換

まず最初に行ったのがタイヤ交換。

中古で購入した時にフロント、リヤタイヤ共に真ん中だけが摩耗し、段減りしている状態でした。

しかも、タイヤはカチカチです。

タイヤで乗り心地や操作性が大きく変わることは知っていたのでこの時もタイヤが原因だろうと思いまずはタイヤ交換をすることにしました。

選んだタイヤはミシュラン パイロットパワー2CT

ロングライフとスポーツ走行も出来る優れ物。
しかも、かなり安い!

ミシュランタイヤが好きだったことと安かったことで即決しました。

交換後に早速走行テスト。

真っ直ぐを走っている時からすごく曲がりそうな予感がありましたが、いざ、ワィンディングを走ってみると思ったより変化がない。

曲がる時の怖さはなくなりましたが、寝ていかない、曲がらないは相変わらずでした。

ドゥカティの乗り方

次に取り組んだのがドゥカティの乗り方です。

ドゥカティは代名詞とも呼ばれるL型2気筒エンジンの恩恵を受け軽量且つスリムな車体となっています。

しかし、このL型エンジン、良い所ばかりではなく4気筒エンジンとは違い、フロント荷重が不足気味でコーナー手前のブレーキングで積極的にフロント荷重にしなければならないと言うことを知りました。

更に立ち上がりではリヤ荷重を掛け曲がっていく‥‥。

ドゥカティは腰で乗るともどこかで聞きました。

そのため、コーナー進入でフロント荷重を意識してハンドルを抑え込むように乗ってみたり、リヤ荷重がいつも以上に掛かるようにタンデムシート近くまでお尻をずらして荷重を掛けたりもしました。

結果は‥‥


何やってもあんまり変わりませんでしたね。

サスペンションセッティング

ここでやっとサスペンションのセッティングをやってみようとなりました。

なかなか、曲がるバイクにならない私のモンスター。(乗り手の技量の問題含め)

そこで敬遠していましたサスペンションセッティングを真面目にやってみることにしました。

敬遠していた理由は一つ。

やり方が良く分からん!です。難しそうだし。
下手に触ると症状が悪化しかねない。

ドゥカティって大体のモデルが前後フルアジャスタブルサスペンションなんですよね。

2台乗り継いだ国産SSもフルアジャスタブルサスペンションでした。
しかし、ほとんど触らなかった。
国産SSは曲がらないと感じたことがなかったので。

この状況を打開するためにサスペンションセッティングに挑戦しました。

サスペンションセッティング①

まずは、現状の確認。

1.バイクが寝ていかない。
2.フロントから滑りそう。
3.二時旋回でリヤタイヤが滑りそう。

良いところないですね(笑)

これで見た目がかっこよくなかったら乗り換えていたかもしれません。

まずはサグ出しを行い、オーナーズマニュアルの標準値にダンパー調整して走行。

結果は余り変わらずで曲がりません。

やり方はこちらです。


サスペンションセッティング②

倒しこみが遅い(寝ていかない)ためフロントフォークの突き出し5mmを行う。

初期旋回(倒しこみ)は少し改善。
しかし、曲がっているかと言うとそうでもない。二時旋回は変わらず。

サスペンションセッティング③

ドゥカティは車高調整できるモデルが多いです。

私のモンスターも車高調整が可能です。

サスペンション左のロッドを調整すれば車高が変化します。

リヤ車高を上げればクイックになり曲がるんじゃないかと思い、リヤ車高を3cmほど上げます。

それに合わせて伸び、圧側ダンパーも調整しました。

結果は少し曲がるように感じていました。

ただ、この段階ではまだワィンディングは楽しいとは言えず、曲がらないストレスが多かったですね。

車高調整方法はこちら


フロントサスペンションのオーバーホール

次に行ったのがフロントサスペンションのオーバホール。

これが効果覿面でした。

サグ出しの時から感じていたのですが、フロントサスペンションの動きが鈍い。

スムーズに動いてないんじゃないかと言う疑問が出てきました。
※リヤのオーリンズは私が購入後オーバーホールしています。

オイル漏れはありませんがダストシールはひび割れしておりました。

私が所有する以前の整備歴は分かりません。

初年度登録からこの時点で14年経過。
もしかしたから一度もオーバーホールしてないかもしれない。

サスペンションがスムーズに動いてないとセッティング以前の問題だと考えてオーバーホールを行いました。

作業手順は以下になります。


オーバーホールしてみると真っ黒なサスペンションオイルが出てきました。

やはり相当な年数オーバーホールされていない様子。

オーバーホール後のフロントサスペンションは別物でスムーズ且つしなやかに動いているのが乗っていて分かるくらいでした。

その効果は絶大でドゥカティに乗ってから始めてコーナーが楽しいと思ったくらいです。

コーナーの進入でモンスターがスーッとインに向かっていきます。

しかし、この段階でもまだよく曲がるバイクと言う印象はありませんでしたね。

やっとスタートラインに立てたと言う気持ちでした。

タイヤ交換②

ミシュラン パイロットパワー2CTにスリップサインが出てきたため、今度はもう少しスポーツタイヤであるピレリ ディアブロロッソ3に交換。

温まりやすく、レースタイヤ並みのグリップ力。
そして、雨天走行も可能。
ライフもそこそこ長いと言う万能タイヤ。

交換後の印象はタイヤのグリップ力が上がったこともあり前以上にワィンディングが楽しくなった記憶があります。

タイヤが変わり限界は上がりましたが一次旋回の思ったより曲がらない、二次旋回の大きくはアクセルを開けれない状態は継続したままでした。

サスペンションセッティング④

ある方の助言を受けて前後の車高を標準値に戻して再出発することにしました。
ノーマル車高に戻した印象はリヤ下がり。

こんなことで良くなる可能性があるのかと疑問に感じながら作業。

車高調整後、走り慣れたツーリングコースで試運転。

変更点はフロントの突き出しをやめ、リヤ上がりの車高をリンクロッドを調整し標準車高にしております。

サスペンションダンパーの調整はしておりません。

結果。

一次旋回が重い。
ハンドルが切れ込む。
バイクが寝ていかない。

二時旋回は比較的良好。
コーナーの早い段階からアクセルが開けられる。
しかし、侵入スピードが遅いためにアクセルが開けられている可能性あり。

二次旋回は良い方向に進みましたが一次旋回はあまり良い結果は出ませんでした。

リヤ下がりになったことによりリヤサスの伸びが遅れているのでは?と考え、リヤサスの伸び側ダンパーを4クリック緩めて帰路に着いたところ、ハンドルの切り込み、バイク寝ないなどの一次旋回が改善されました。

ここまでが現状のセッティングになります。

まとめ

ここまでで初期に比べたら格段に乗りやすく曲がるバイクになっております。
(あくまで私の走るツーリング、ワィンディングメインでのことになります。)

まだまだ、サスペンションセッティングを煮詰める必要はありますが、良い方向に向かっていることを感じました。

ここまでの経験からドゥカティが曲がらないと感じた場合は下記の点を再確認する必要があるかもしれません。

  1. サスペンションの状態。(オーバーホールがしっかりされているか?)
  2. 各部稼動部分の状態 ステムベアリングの状態。 サスペンションリンクのグリースアップ 各サスペンション関係のボルト、ナットのトルク管理
  3. タイヤの摩耗状態 (タイヤが摩耗していてもセッティングはできません。タイヤ溝7~8割まででセッティングするのがおすすめ)
  4. ステアリングダンパーの有無 (状況によってはフロントステアの邪魔になっている可能性有)


ドゥカティは国産バイクと比べると気持ち良く乗れる範囲が狭いのでは?と感じています。

そこが、スパルタンと呼ばれる由来かもしれません。

L型ツインの独特の鼓動や機械を操っている感覚は一度乗ると辞められません。

見た目の造形美もそうですが、そういった絶妙なバランスが魅了される点かもしれませんね。

そのため、出来るだけ各部が本来の設計通りスムーズに動くようにメンテナンスする必要があると考えます。

その上でセッティングをすれば今より乗りやすく曲がるようになると思います。

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らびだで ドゥカティ

コメント

  1. 山口 より:

    初めましてドウカテイ900Ieに乗る還暦ライダーです。神にもすがる思いでの投稿です。
    フロントフォークのオイル漏れ発覚し、同じモンスターならなんでも同じと思い、S4-Rのフォークをヤフオクで購入し装着したところセテイングがあっておらず悩んでいるところです。
    下側の調整を色々回していたところ最弱から動かなくなり困り果ててます。
    ベストの調整が知りたくメール致しました。
    現在フロント、リア共に車高下がってます。
    リアは、同じオーリンズです。

    • YASU より:

      山口様

      ご質問ありがとうございます。
      最初にご確認したいのですが、900ieのフォーク装着時はセッティングに不満がなくS4Rのフォークに交換後、セッティングに不満があり現在調整中とのことでしょうか。
      また、サグ出しから調整されてダンパーの調整中と言う認識でよろしかったでしょうか。
      上記の現状として私の意見をお伝えさせて頂きます。

      まず、始めにお伝えしたいのがS4R(S4)等の水冷モデルと900ie(1000S)等の空冷モデルではフロントサスペンションが違います。
      フォークオイルは一緒ですがスプリングが違うようです。水冷モデルの方が重量があるためバネレートが高めの設定なのかもしれません。

      上記を踏まえた上でもある程度セッティングでなんとかなると考えておりますが、一番気になるのは購入されたS4Rのオーバーホールの状態です。
      一度もオーバーホールの履歴がなさそうなら1度オーバーホールされてから再セッティングをされた方が近道かもしれません。
      私もサスペンションセッティング始めた当時は何をやっても一向に良い方向に進みませんでした。しかしフロントサスペンションのオーバーホールをしたことにより劇的に変化しました。
      S4Rも新車からですと10年以上経過しているモデルのため履歴がなければおすすめです。

      また、圧側ダンパーが固着したとのことですが、全く動かなくなったのでしょうか。
      ある程度の力で回しても固着しているなら、やはりオーバーホールがおすすめかもしれません。

      セッティングについては私も模索中ではありますが、できるだけプリロードをかけずにサスペンションを動かす方向でセッティングするのが乗りやすく曲がると感じます。
      ご希望の回答になっていないかもしれませんが追加質問等がございましたら宜しくお願い致します。

  2. 山口 より:

    ありがとうございました。挑戦してみます
    オーバーホールは、判りませんがオクムラのステッカーが貼ってありました。
    また、ザグ出しはしてません。

    • YASU より:

      山口様

      オクムラのステッカーがあると言うことは1回はオーバーホールされていますね。

      すぐに、思っているセッティングにはならないかもしれませんが記事を参考に色々試してみて下さい。

  3. 山口 より:

    サグ出しをしてみましたが、やはりフロントはバネが硬いようで基準値には達しませんでした。
    リアはオーリンズでバネレートを最弱にしてもら びだてさんと同じで基準値に達しませんでした。
    とにかく、走ってみましょうとフロント、リア共に減衰を最弱から始め 最初にリアの戻り側を10回転締て走行。一気にドッシリ間が出たのでそのままの状態でしばらく走りその後、フロントの戻り側を3回転締めて走行。今一かと思い5回転締めるとドッシリ間がでました。
    セテイングを始める前よりはかなり乗りやすいのですが、スピードレンジが低いのでスピードレンジが上がった時が心配です(法定速度で走る分なら問題なし)
    らびだてさんのフロント、リアの減衰がどの位かお教え願えれば参考したいいので宜しければお願いします。

    • YASU より:

      山口様

      コメント頂いていたのに気付いておりませんでした。
      すでに必要ないかもしれませんが私の現在のセッティング状況をお伝え致します。
      -フロント 
      イニシャル 6段目  
      伸び 全締め(最強)から6戻し
      圧  全締め(最強)から7戻し

      -リア
      イニシャル 最弱から5周締め
      伸び 最弱から4締め
      圧  最弱から4締め

      空気圧 F2.1kg/cm R2.2kg/cm

      ちなみに私はもう少しF側のイニシャルを抜いた状態でも試してみたいと思っておりましたが、ローハンドルを取り付けている関係でこれ以上はイニシャルが抜けません。ハンドルに当たってしまうため。
      また、Fフォークオイルは純正の粘度より少し柔らかいオイルを使用しています。

      ご参考になれば幸いでございます。

  4. 村瀬司 より:

    はじめまして、わたくしも以前国産SSからモンスター696に乗り換えて酷い目にあいました。タイヤの接地感が無く怖く寝かせられない。
    お店で、フロントを突き出したり乗り方変えたりしても全くダメ。
    ブレーキを残しつつ、コーナーへ入れと良く言われますが、サーキットと違いコーナースパンの短い公道では使えるシュチュエーションは少ない。
    諦めて、再び国産SSに乗り換えました。
    しかし、やはりスタイリングと作りの良さ。そして価格が安かったのでモンスター797を購入。10月より乗り始めます。
    また、読ませて頂き勉強させて下さい。

    • YASU より:

      村瀬様

      コメントありがとうございます。
      国産SSと比べると本当に曲がらないと感じてしまいますね。
      オートマチックには曲がらないと今でも思っています。

      もうモンスター797に乗られている頃ですね。
      また、感想をお聞かせ下さい。

  5. 山口虎夫 より:

    山口です。サスの方ではお世話になりました。
    私も、タンクをS2Rに変更しようと樹脂タンク購入しました。後ポンプ、ヒンジ等購入予定です。オーリング(ポンプの)とクイック何とかはどこで購入したら良いのか?出来れば教えてください。

    • YASU より:

      山口様

      コメントありがとうございます。
      下記、回答させて頂きます。
      1. フューエルポンプのOリング
      下記URLの桜シールさんのサイト(Oリング. COM)に私が記載しておりました品番で検索下さい。FKM-70 AN6227-50-N
      http://xn--o-7eu7hjb.com/

      約¥300.-程でOリングが出てきますので私はそちらを購入し使用しております。送料は¥600.-程必要です。
      純正品ではございませんので責任は取れませんが現在まったく問題なく使用できております。

      2.クイックカプラー 814.4.010.1A ×2
      クイックカプラーで宜しかったでしょうか?
      こちらは代替え品を探しましたが見つからず、純正部品を購入し使用しております。
      純正部品はドゥカティディーラーで上記品番を注文するか、Webikeの純正部品購入から注文すれば入手可能です。

  6. 山口虎夫 より:

    有難う御座います。
    注文したいと思います。

  7. 山口虎夫 より:

    クイックカプラーは注文したのですが、後ドレーンアダプターとドレーンアダプターガスケットも注文しなければいけなかったでしょうか?
    何処に取り付けるものでしょうか。

    • YASU より:

      山口様

      私の記事にありますタンク裏側の写真をご確認頂けますでしょうか?
      その写真のフューエルポンプの左下付近に2つあるプラグがドレーンアダプターです。
      入手されたタンクにすでに付属しているなら注文する必要はございません。
      しかし付属されていないならドレーンホースを取り付けるためにアダプター、ガスケットが必要になります。

  8. 山口虎夫 より:

    お騒がせしました。購入したタンクに付いてました。

  9. 山口虎夫 より:

    本日樹脂タンク取り付けました。燃料ホースの取り付けに迷いましたが、1L位の燃料を入れランプが点いたので当たりのようです。