以前から気になっていた垂直側シリンダーヘッド付近のオイル滲み。
漏れではないので放置しておりましたが、せっかくなので原因確認と修理をすることにしました。
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現状のオイル滲み確認
問題の垂直側のシリンダーヘッド。
どこからのオイル滲みかははっきり特定できませんね。
考えられるオイル滲みの箇所は下記と推測します。
- ヘッドカバーガスケット
- カムシャフトシール
- ヘッドガスケット
以前、タイミングベルトの調整時にカムシャフトシールは大丈夫だったので原因から除外。
そうなるとヘッドカバーガスケットかヘッドガスケットが怪しくなりますが、ヘッドガスケットだと大きな作業になるため、まずは簡単に作業可能なヘッドカバーガスケットから修理、交換してみることにしました。
これで治らなければヘッドガスケットの可能性が濃厚になります。
交換部品の選定及び調達
ドゥカティディーラーでも部品は調達可能ですが、パーツリストで品番さえ分かれば、webikeで見積もり、注文も出来るのでそちらで手配します。
ドゥカティのパーツ品番は下記のサイトで検索可能です。
見積もり、注文はwebikeを使うと便利です。
いつも純正部品の価格確認でお世話になっています。
今回の発注部品はこちらです。
※車両はモンスター1000S 2003年モデルで検索しました。
アイテム番号11 : サイドカバーガスケット 93823.3175 Oリング 必要数 x 2 単価¥504.-
品番が代替しており →88640601A →88640602Aが最新品番
アイテム番号9 : ヘッドカバーガスケット 463.2.010.9A Oリング 必要数 x 4
垂直方向、水平方向共に品番は同じです) 単価¥794
品番が代替しており→88641381Aが最新品番
価格はOリングにも関わらず、さすがはドゥカティ価格です(笑)
自宅の部品在庫を調べてみると以前に購入していた部品が見つかりました。
今回はそちらを使用して修理していきます。
サイドカバーガスケット(Oリング) 旧品番の88640601A
ヘッドカバーガスケット(Oリング) 旧品番の46320109A
オイル漏れ修理の準備(垂直側シリンダーヘッド)
シートカウルを取り外し、タンクを持ち上げます。
作業性を考えて、ガソリンタンクを外します。
まずはフューエルポンプのコネクターの取り外し。
次に燃料ホースの取り外し。
私のモンスターはS2Rのタンクなので、クイックカプラーで燃料ホースを取り外します。
※ホースを取り外すとガソリンが結構出てきますので注意です。
オーバーフロー用のホースも取り外します。
後はガソリンタンク取り付け部のピンを抜けばガソリンタンクは取り外せます。
次にバッテリーを取り外します。
ゴムバンドを取り外して、バッテリー端子のボルトを取り外してバッテリーを取り外します。
※必ずマイナス端子から取り外してください。
バッテリー取り付け時は逆手順でプラス端子から取り付けます。
理由はバイク(自動車)はワイヤーハーネスの簡略化も兼ねてボディ全体(金属部分)がマイナス端子となっています。
そのためマイナス側を始めに取り外していないと、バッテリーのプラスとマイナス(ボディ)が工具等で誤って触れてしまう回路が成立しショートしてしまいます。
そのため、バッテリーのマイナス端子を先に外すことでボディのマイナス回路を成立しないようにします。
次にバッテリーケース右側に取り付けられているECUを2本のボルトを緩め、取り外します。
そして、4本のボルトを緩め、バッテリーケースを取り外します。
完璧には取り外せないため、横に避けておきます。
そして、10mmのナット4つを緩めバッテリーケースステーを取り外します。
下側2つのナットは工具が入りにくいので、エアクリーナーBOXを外した方が作業性は良くなると思います。
私は外さずになんとか取り外しました。
これで、交換準備が出来ました。
サイドカバーガスケット交換(垂直側シリンダーヘッド)
サイドカバーガスケット(Oリング)から交換します。
まずはプラグコードを取り外します。
そしてサイドカバーのボルト2本を取り外し、サイドカバーを取り外します。
この時点で各部を清掃します。
サイドカバーのガスケット(Oリング)を交換します。
組付けし易いようにOリングに薄くシリコングリースを塗布します。
使用したシリコングリースはコーナンで購入。
サイドカバーを取り付け、規定トルク10Nmで締め付けます。
最後にプラグコードを取り付けてサイドカバーガスケットの交換は終了です。
ヘッドカバーガスケットの交換(垂直側シリンダーヘッド)
続いて、ヘッドカバーガスケット(Oリング)を交換していきます。
まずは後ろ側のヘッドカバーから作業していきます。
ヘッドカバーのボルト4本を取り外し、ヘッドカバーを取り外します。
ヘッドカバー(後ろ側)が外れた状態。
同じくこの時点で各部を清掃します。
ヘッドカバーガスケット(Oリング)を交換します。
組付けし易いようにOリングに薄くシリコングリースを塗布します。
ヘッドカバー(後ろ側)を取り付け、対角線に締め付けていきます。
規定トルク10Nmです。
これでヘッドカバーガスケット(後ろ側)の交換は完了です。
同じ要領でヘッドカバーガスケット(前側)も交換していきます。
作業内容は後ろ側と同じため省略します。
ヘッドカバーガスケット(前側)の交換が終わった状態。
これで垂直側シリンダーヘッドのガスケット(Oリング)は全て交換出来ました。
各部の復元作業(垂直側シリンダーヘッド)
それでは復元していきます。
-バッテリーケースステー取り付け。
バッテリーケース取り付け
-ECU取り付け
後はバッテリーの取り付けとガソリンタンクの取り付けです。
バッテリーはプラス端子から取り付けて下さい。
最後にガソリンタンクを取り付ければ完成です。
サイドカバーガスケット交換(水平側シリンダーヘッド)
次に水平側シリンダーヘッドのオイル漏れ修理を行います。
基本的には垂直側と交換方法は同じです。
こちらの方が外す部品は少ないので比較的簡単に交換出来ます。
こちらもオイル滲みがありますね。
それではサイドカバーガスケット(Oリング)から交換していきます。
まず、プラグコードを取り外します。
サイドカバー取り付けボルト2本を取り外し、サイドカバーを取り外します。
各部を清掃し、サイドカバーのガスケット(Oリング)を交換します。
Oリングにはシリコングリースを塗布しておきます。
2本のボルトを規定トルク10Nmで締め付けます。
ヘッドカバーガスケットの交換(水平側シリンダーヘッド)
ヘッドカバーガスケット(Oリング)上側を交換していきます。
こちらはオイルクーラーがあり、少し作業し難いです。
まずはオイルクーラーの取り付けボルト2本を外し、オイルクーラーを少しずらしておきます。
次に油温センサーコネクターを取り外しておきます。
このコネクターは針金がロックとなっているため、針金を取り外してコネクターを外します。
針金は小さいマイナスドライバー等を使用すると簡単に外すことが可能です。
後はヘッドカバーのボルト4本を取り外して、ヘッドカバーを取り外します。
こちらも清掃し、ヘッドカバーガスケット(Oリング)を交換します。
Oリングにはシリコングリースを塗布します。
規定トルク10Nmで4本のボルトを締め付けます。
これで上側は完成です。
最後にヘッドカバーガスケット(Oリング)下側を交換します。
ここのヘッドカバーの取り外しは一番簡単です。
ヘッドカバー取り付けボルト4本を取り外し、ヘッドカバーを取り外します。
※ヘッドカバーを取り外す時、エンジンオイルがカバーに溜まっているため注意が必要です。
結構エンジンオイルが垂れてきました。
こちらも清掃し、ヘッドカバーガスケット(Oリング)を交換します。
Oリングにはシリコングリースを塗布します。
規定トルク10Nmで4本のボルトを締め付けます。
最後にプラグコードを取り付ければ完成です。
作業完成後の確認
今回交換した部品
- サイドカバーガスケット(Oリング) 旧品番の88640601A x 2
- ヘッドカバーガスケット(Oリング) 旧品番の46320109A x 4
漏れがないか走行後に最終確認が必要となりますが、エンジン回りが綺麗になると気持ちいいですね。
数分のアイドリングでは問題ありませんでした。
垂直側シリンダーヘッド修理前
垂直側シリンダーヘッド修理後
水平側シリンダーヘッド修理前
水平側シリンダーヘッド修理後
古いバイクなので手間は掛かりますが、空冷ドゥカティは作業性が悪くないので手を掛けると楽しいですね。
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