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ドゥカティのクラッチは重たい
ブレンボ セミラジアルクラッチマスターシリンダーの流用になります。
まず最初に、ドゥカティのクラッチって重たいと思いませんか?
振動のせいもあってか、1日ツーリングしてると左手の握力が限界になってきます。
クラッチを軽くするには、クラッチレリーズシリンダーのピストン径を大きな物に交換する方法があります。
多くの人が最初に挑戦する比較的作業が簡単な方法です。
もしくは難易度が少し上がりますが、ラジアルマスターシリンダーへ交換する方法もあります。
こちらはホースの取り回し変更やクラッチホース交換の必要性が出てくるため少し難易度は上がります。
私のモンスターは購入時からレリーズシリンダーは交換されていました。(サイズ不明)
それでもクラッチが重たいのです。
ノーマルの重さは知りませんが。
そこでラジアルマスターシリンダーの交換に目をつけました。
見た目もカッコいいですしね。
しかし、ラジアルマスターって高額ですよね。
ブレンボやゲイルスピード等の手頃な中古品を探していましたが、中古品でも高い!
諦めていた時に見つけたのがドゥカティの上位車種に純正採用されているブレンボ製セミラジアルマスターシリンダー。
比較的安価で中古品が出品されているのでそれを購入しました。
今回はパニガーレに付いていたものを流用します。
ピストン径は15mmになります。
モンスター1000sの純正ブレンボ横置きマスターシリンダーは13mmです。
今回はこちらを取り付けていきます。
ブレンボ セミラジアルクラッチマスターシリンダー
ブレンボ セミラジアルクラッチマスターの詳細です。
ピストン径:15mm
マスター本体:定価約¥35,000.-
ちなみに純正採用されている機種は下記となります。
モンスターS4RS
モンスター1200S
1098S
1198S
パニガーレ
HyperMotard 1100S 等
カワサキのH2も純正採用されています。
品番は43015-0617(ブレーキマスター)
43015-0616(クラッチ マスター)
このマスターシリンダー、調べてみるとなんとオーバーホールが出来ません。
使い捨てという事ですね。安くないのに驚きです。
そういう点を踏まえて、新品を買うなら私はブレンボのRCSタイプやオーバーホールが安価なゲイルのマスターシリンダーをおすすめします。
ミラーホルダー
このセミラジアルマスターの基本設計はどの車種用でも同じだと思いますが、ミラーホルダー はモンスターシリーズしか付属されていません。
写真は購入したセミラジアルに付属していた純正のホルダー
S4RSのブラケット品番が62640451Aです。
正確な価格ではありませんが税込みで約¥3,900.-です。
ブレンボ純正RCS用のミラーホルダーで約¥6,000.-、他社外ホルダーでも¥5,000.-程の価格はします。
比較的安いのはポッシュのミラーアダプター 000703-29 ¥2,750です。
今回は中古のコーケン製ミラーホルダーを入手したのでそちらを使用致します。
仮組みしてみました。
クラッチホース流用交換
今回はクラッチホースも流用交換します。
使用するのはストリートファイターS用クラッチホース。
もちろん、中古です(笑)
私のモンスター1000Sのノーマルマスターシリンダーは横置きタイプです。
そのためホースのバンジョー形状がラジアルマスターに適した角度になっていません。
問題のバンジョー形状です。
ブレーキ側でもこのバンジョー形状のため、取り付けには非常に苦労しました。
そういった経緯から、今回はブレンボのセミラジアルマスターが新車装着されているモデルのクラッチホースを入手しました。
モンスター1000s用クラッチホースのバンジョー形状
クラッチホースの長さは1020mm
ストリートファイターS用クラッチホースのバンジョー形状
クラッチホースの長さは1030mm
長さはぴったりでした。
私はローハンドルを取り付けていますがハンドルによってはもう少し長いホースが必要かもしれません。
ノーマルのクラッチホースをそのまま使いたい方は下記のブレーキバンジョーアダプターを使えばそのままいけそうです。
リザーバータンク及びステー
リザーブタンクはブレンボ純正S15Bを使用します。
品番は10.4446.50定価¥1,100です。
リザーブタンクステーはデイトナ製を選びました。
品番92677定価¥1,000です。
※92677は廃番となっているようです。現在は30895が類似品です。
ホースはブレンボ純正を購入しました。
すでに別用途で使用しており写真は少し短くなっております。
リザーバータンクとステーの間には振動吸収のためにゴムワッシャーを入れました。
コーナンで¥100.-で購入。
マスターシリンダーの取り外し
クラッチホースも交換するのでヘッドライトを取り外しておきます。
横のボルト2本とコネクターを外せば簡単に外れます。
そしてレリーズシリンダーから配管内にあるフルードを抜き取ります。
エア抜きの要領でブリーダーから抜きます。
次にヘッドライト奥にあるクラッチスイッチのギボシ端子を取り外します。
クラッチマスタースイッチから配線を辿れば簡単に見つかります。
写真ではヘッドライトコネクター右の2個のギボシ端子がそれに当たります。
そしてマスターシリンダーのバンジョーボルトを緩めます。
ブレーキフルードが出てきますので養生はしっかりしましょう。
こぼした場合は大量の水ですぐに洗い流します。
マスターシリンダーのホルダーを緩めるとマスターシリンダーを取り外すことができます。
マスターシリンダーが外れました。
セミラジアルクラッチマスターシリンダーの取り付け
はじめにクラッチホースを交換します。
ノーマルのクラッチホースを取り外し、同じ取り回しでストリートファイターS用のクラッチホースを取り付けていきます。
次にブレンボセミラジアルマスターシリンダーの取り付けます。
リザーバータンクのホースはこの時点で長さを合わせてカットしました。
ステーとタンクの間にコーナンで購入したゴムを取り付けます。
取り付け完了。
クラッチ関係のエア抜き
配管内のエア抜きを行います。
初めにマスターシリンダーからエア抜きを行います。
ブリーダーボルトは11mmでした。
そしてレリーズシリンダーのエア抜きを行います。
基本手順はマスターシリンダーのエア抜き → レリーズシリンダーの順番ですが、今回はマスターからのエア抜きがなかなかできませんでした。
そのためまずはレリーズシリンダーである程度のエア抜きを行い、 マスターシリンダーのエア抜き → レリーズシリンダーの順番 で仕上げました。
エア抜き後は各部分からのオイル漏れがないかクラッチレバーを握り確認しました。
最後にエンジンを始動し、クラッチの繋がり位置を調整し完成です。
交換後の感想
クラッチの重さに関してはノーマルの横置きと比べて軽くはなりましたが、期待していたほどの格段の差ではありません。
しかし、クラッチのキレ、操作性は向上したように思います。
まだ、長距離を乗っていないためインプレッションは後日追記致します。
問題が一点だけございます。
この時期のモデルは左スイッチBOXにチョークレバーがついており、そのワイヤーがラジアルマスターのバンジョーと干渉し左スイッチBOXが好きな位置に調整できません。
ミラーホルダーの下に見えているのがチョークワイヤーです。
ワイヤーがバンジョーに干渉しています。
クラッチワイヤーがバンジョーの位置辺りで、左スイッチBOXを固定できればベストです。
そのため取り付け可能な位置で固定しましたが、それだと指示器の操作性が非常に悪くなります。
この問題に関しては新たな課題ですね。
試運転後の感想
やっと時間が出来まして試走してきました。
結論から言いますと、試走前に感じていた通りクラッチレバーの重さはあまり変わりませんでした。
そのため期待していました左手の負担軽減にはあまり役に立っておりません(笑)
この点に関しては左手の握力強化をした方が解消されそうですね。
しかしがら、操作性、クラッチのキレは各段にアップしました。
そのためシフトのアップ、ダウンが前より少ない操作量で出来ます。
発進時の半クラッチも簡単になりましたね。
求めていた利点とは違うため、成功なのかは疑問が残りますが、しばらくはこの仕様でいってみます。
※別記事で紹介しておりますがZETAパイロットレバーに交換して左手の負担が大幅に解消しました。
左手の負担軽減目的ならそちらもおすすめです。
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