ドゥカティ モンスター 520コンバート

モンスター1000S

ドゥカティ モンスター1000Sのチェーン交換に伴い、520コンバートを行います。

ちなみにかしめるタイプのチェーン交換は今回が初めてです。

520コンバートとは?

ご存知の方は多いと思いますが、純正で装着されていますドライブチェーン、スプロケットのサイズ(幅)を小さくすることです。

私のモンスターはノーマルサイズ525に対して520サイズに交換します。

効果としてはバネ下重量が軽くなることで、慣性モーメントが軽減し、加速、減速性能の向上や旋回性や操舵性も良くなり基本的な運動性能が上がるようです。

メリットばかりのように感じますがデメリットもございます。

駆動力を伝える部品が全て小さく(細く)なるため、交換前と同じ使用方法では交換サイクル(摩耗、劣化)は確実に早くなります。

ドライブチェーン、スプロケットは安価ではないため、長距離をメインで乗られる方にはあまりお勧めではありませんね。

私の場合は、ここ数年の走行距離が年間3000kmも乗っていませんし、交換サイクルの件はあまり気にしておりません。

520コンバートへの交換部品

520コンバートに際して、下記の部品を用意しました。

  • ドライブチェーン   EK Three D 520Z  ブラック/ゴールド 100リンク
  • フロントスプロケット XAM  C4515R15T
  • リアスプロケット   XAM  A4507X38T

ドライブチェーンは最後までレッジーナ520GPZとEK Three D 520Zで迷いましたがEK Three D 520Zのブラック/ゴールド(レッジーナはゴールドのみ)のかっこよさが勝り、こちらに決定しました。

ちなみにモンスター1000sの純正スペックはフロント15T, リヤ39T, チェーンリンクは100リンクです。

フロントスプロケット交換準備

まずは、2本のヘキサゴンボルトを取り外しスプロケットカバーを外します。

スプロケットカバーが外れました。

スプロケット取り付けナットに緩み止めのプレートがありますのでマイナスドライバー等で起こします。

ギヤを1速に入れて32mmのナットを緩めます。

このナットはかなり硬く締め付けられておりますので、確実な作業で緩めて下さい。

リヤスプロケット交換準備

この時点でリヤスプロケットを止めている15mmのナット6個を軽く緩めておきます。

リヤスプロケット交換

ここでメンテナンススタンドを掛けておきます。

今回はチェーンラインも確認したいのでリヤフェンダーを取り外します。

取り外しはヘキサゴンボルト4本で取り外し出来ます。

リヤフェンダーが外れました。

次にリヤタイヤの取り外しです。

取り外し方法は過去記事でご確認下さい。

リヤホイールからスプロケットキャリアを取り外し、スプロケット取り付けナット6個を取り外します。

新しいスプロケットを取り付け、ナット6個をロックタイト(緩み止め剤)を塗布し規定トルク46Nmで締め付けます。

使用したロックタイト。

※本締め(規定トルク)はスプロケットキャリアをホイールに差し込んでからの方が締めやすいです。

スプロケットキャリアのホイール差し込み部分にグリースを塗布しリヤホイールに取り付けます。

そしてリヤホイールを車両に取り付けます。

フロントスプロケット交換

古いチェーンを取り外します。

この時代のドゥカティはチェーンカットすることなくクラッチレリーズを取外すだけでフロントスプロケットと共にチェーン脱着が出来ます。

厳密にはバックステップをずらす必要がありましたが(笑)

フロントスプロケット固定ナットを取り外し、フロントスプロケットとチェーンを取り外します。

かなり汚れています。

ここでスプロケット周辺部を清掃しておきます。

綺麗になりました。


スプロケット奥にあるこのカラーを取り外し、奥にあるOリングを新品に交換していきます。
もちろんカラーも清掃します。

純正品番:93040231A

Oリングとカラー外周面にシリコングリースを塗布しておきます。

カラーを挿入した後、新品のフロントスプロケットを取り付け、仮締めしておきます。

規定締め付けトルクが186Nmなのでチェーン取り付け後でないと規定トルクでの締め付けが出来ません。

520チェーン取り付け (EK Three D 520Z)

 新しいチェーンはグリースがたっぷり塗布されているのでグリースをある程度拭き取っておきます。

そして新しいチェーンを車輛に取り付けます。

リアスプロケット部分にジョイントする部分を持っていきます。


ジョイントリンクにしっかりグリースを塗布し組み付けます。
シールリングにもたっぷりグリースを塗布します。

そしてジョイントリンクを取り付けます。

こちら側のシールリングにもたっぷりグリースを塗布します。

そしてプレートを取り付けます。


ここでDIDかし丸君の登場です。
堅牢且つコンパクトな造りです。

チェーン交換の頻度は多くありませんが、しっかりした工具で作業したいためクチコミの良かったDID かし丸君(中古品)を購入しました。

かし丸君を使用した圧入、カシメ作業はDIDのYouTubeを確認すると分かりやすいです。

ジョイント部プレートの圧入作業

かし丸君を使用してジョイント部プレートを圧入します。

ジョイント部を作業しやすい位置へ動かします。

U字プレートはAの位置で作業します。

27mmのレンチでかしまる君を固定し、19mmのレンチで締め付けていきます。

レンチの締め付け感覚が固くなる部分で圧入をやめます。

コツとしては少しづつ圧入し、その都度ノギスで圧入の状態を他のリンク幅と比べて測定します。

すでに圧入済みのリンク幅 : 18.00mm
圧入したジョイント幅 : 18.10mm

0.1mmの差はありますが、圧入し過ぎるとジョイント部分の動きが悪くなり、更にシールリングも潰してしまうことによりジョイント交換となってしまいますのでこの辺りで良しとします。

作業は時間が掛かっても確実に行いましょう。

圧入が終わった時点でチェーンがスムーズに動くか確認します。

圧入は出来ましたが、途中でかし丸君をつけたままジョイントの動きを確かめるために何度も動かしたせいか、少し黒い塗装が剥がれてしまいました。

ジョイントのカシメ作業

圧入が終わればジョイント部をカシメます。

ジョイントタイプ MLJでThree D 520Zのためカシメ幅は5.6~5.8mmです。

ここでもかし丸君を使用します。

U字ホルダーはBの位置です。

かしめピンがきっちり(直角に)ピンに入っているか確認してからカシメていきます。

こちらも締め付け感覚が固くなる部分で締め付けをやめます。

ここでカシメたピンの幅をノギスで測定します。

計測してはカシメてを繰り返して規定幅までカシメていきます。

カシメ幅5.6mmに調整しました。

チェーンがスムーズに動くか確認します。

これでカシメ作業は終了です。

※今回使用しましたかし丸君ですが、カシメ過ぎないようにカシメピンに工夫がされています。
そのため、締め付け感覚が硬くなる所まで締め付ければほぼカシメ幅までかしめることが出来ます。

チェーンの張り調整&チェーンライン確認

それでは早速チェーンの張りを調整していきます。

チェーン調整方法は下記記事をご覧ください。

次にチェーンラインの確認

スプロケット、チェーンを新品に交換したのでチェーンラインを確認します。

目視で見る限りでは問題無さそうです。

ここでリヤフェンダーを取り付けます。

フロントスプロケット締め付け

リヤスタンドを外しタイヤを地面に接地させ、ギヤ1速に入れてフロントスプロケットを規定トルクで締め付けます。

回り止めのために木片もリヤタイヤに噛ませました。

フロントスプロケット : 規定トルク 186Nm

この締め付けにかなり苦労しました。

最終的には車両に跨り、リヤタイヤに荷重をかけて、右足でリヤブレーキを思いっきり踏みながら、トルクレンチを持ち上げるように左手で締め付けてなんとか規定トルクで締め付け出来ました。

締め付けが終われば緩み止めのプレートをハンマーなどで折り曲げて回り止めを行っておきます。

フロントスプロケットカバーを取り付けます。

これで全ての作業は終了です。

525と520コンバート後の重量確認

 今回、520コンバートに伴い、どれくらいの軽量化となったかを確認していきます。

まずはフロントスプロケット

純正フロントスプロケット: 244g

XAM  C4515R15T : 176g

フロントスプロケットで68g軽量化。

つぎにリヤスプロケット

純正リヤスプロケット : 790g

XAM  A4507X38T : 244g

リヤスプロケットで546g軽量化。

最後にドライブチェーン

EK525ZVX : 2,037g
純正装着かは不明です。

 EK threeD 520Z : 1,667g

 ドライブチェーンで370g軽量化。

520コンバート化によって合計984gの軽量化となりました。

バネ下重量の軽量化は1kgで10kgの効果があると言われますのでまずまずの軽量化ではないでしょうか。

 520コンバートの効果

まず始めに効果を感じたのは押し引きが格段に軽くなったこと。
チェーンが細くなりフリクションは確実に軽減されているのだと思います。

※もしかすると新品のチェーンに変えただけでも多少は感じるのかもしれません。

そして、試運転で感じた520コンバートの効果ですが、正直、分かりませんでした。
コーナーの切り替えしや寝かし込みは軽くなった気はします。

また、リアのスプロケットを1丁変更したにも関わらず、加速が良くなった気はします。

私の技量では体感できるほどの大きな変化を感じることはできませんでしたが、軽量化にもなっていますし満足です。

 

モンスター1000S未分類
スポンサーリンク
シェアする
YASUをフォローする
スポンサーリンク
らびだで ドゥカティ

コメント