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ドゥカティ タイミングベルト
今回はドゥカティを乗っている人なら必須作業であるタイミングベルトの張り調整を行います。
私のバイクも中古でモンスターを購入してから4年以上が経過しています。
前オーナーが一度タイミングベルトは交換していますが、張り調整は一度も行われていないでしょうし、私も購入後行っていません。
ドゥカティのタイミングベルトの張り調整では本来専用工具を使用し張力の周波数を測定し調整します。
もちろん、専用工具ですので手に入りません。
手に入ってもかなり高額だと思われます。
そのため代用品としてスマホもしくはパソコンを使用し周波数を測定する方法がございます。
タイミングベルト調整に必要な機材
今回、タイミングベルトの調整で下記の機材を使用します。
- スマートフォン
- スマートフォン対応の集音用マイク
私が入手しましたマイクは下記になります。
-ZENLO ミニクリップマイク
アマゾンで¥1,200.-くらいで入手可能です。
それでは早速作業していきます。
タイミングベルトカバーの取り外し
まずはベルト調整するためにタイミングカバーを取り外していきます。
※この後のピストン位置調整のためにメンテナンススタンドでリアタイヤを浮かせておくと作業効率は上がります。
1.シートカウルを取り外し、ガソリンタンクを持ち上げます。
2.スパークプラグコードを取り外します。
3.オイルクーラーの取り付けボルトを取り外し、オイルクーラーをずらします。
4.ヘキサゴンレンチ5mmでタイミングカバー水平側 (前バンク) を取り外します。ボルトは5本です。
前方方向に抜くとカバーは取り外せます。
5.次にタイミングカバー垂直方向 (後ろバンク) を取り外します。
ボルトは2本です。
左上方向に抜くと取り外しできます。
ピストン位置を圧縮上死点に合わせる(TDC)
水平側ピストン(前バンク)の位置を圧縮上死点に合わせます。
ギアを6速に入れてタイヤを回して各プーリーの切り欠きを合わせていきます。
タイヤを回すのが重い場合はスパークプラグを外します。
1.クランクプーリーの切り欠きを合わせる。
2.水平側(前バンク)のカムプーリーの切り欠きを合わせる。
3.垂直側(後ろバンク)のカムプーリーの切り欠きを合わせる。
これで水平側(前バンク)が圧縮上死点になりました。
*垂直側(後ろバンク)のタイミングベルト調整時も水平側と同じように垂直側シリンダーを圧縮上死点に調整する必要があるようです。
合わし方としては水平側シリンダーの圧縮上死点から270°回した位置が垂直側の圧縮上死点となります。
しかし合わせマークもありませんし、そこまで測定値に大きな差は出ないと思い、私は水平側の圧縮上死点で垂直側のタイミングベルト調整も行います。
タイミングベルトの周波数 (張り)
修理書のデータによるとモンスター1000sの場合の測定値は下記になります。
-組み立て時 水平側/垂直側 140Hz ± 5Hz
-点検時 水平側/垂直側 140Hz ± 5Hz
新品取り付け時と定期点検の値が同じですね。
初期伸びを考えるとどうなんでしょうか?
色々と調べた結果、再調整時は90〜110Hzに調整するのが望ましいようです。
測定は冷間時に行なって下さい。
上記を踏まえて調整していきます。
集音マイクの取り付け
周波数の集音のために下記位置にマイクを取り付けます。
修理書で測定位置を確認します。
水平側(前バンク)はここに取り付けました。
タイミングベルト調整
それではいよいよタイミングベルト調整です。
使用するアプリはSonic Toolsです。
調整方法はギターの弦を弾くように強めにベルトを弾き、その時の周波数を測定します。
規定範囲外ならテンショナーボルト7mm(2本)を緩め、テンショナーを調整し、規定範囲内の周波数になるように調整します。
マイク上に見える2本のヘキサゴンボルトです。
測定してみると水平側(前バンク)の周波数は100Hzでした。
意外でしたが、規定範囲内ですね。
少し調整して110Hzくらいにしました。
テンショナー取り付けボルトの締め付けトルクは26Nmです。
垂直側は測定してみると110Hzくらいだったため調整は今回見送ります。
※ベルト調整は強く張ると周波数値は高くなり、逆に緩めると低くなります。
作業自体は難しくありませんが、不備があるとエンジンに大きなダメージを与える可能性がありますので自信がなければお店でやってもらいましょう。
テンショナーベアリングの固定は26Nmです。
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